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 ▼【新刊読み物】『勇者の谷』  おちゃわん 09/10/27(火) 11:55
   ┗【カ賞LL】『勇者の谷』  muzu(WYN-1056) 10/4/27(火) 11:58

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 ■題名 : 【新刊読み物】『勇者の谷』
 ■名前 : おちゃわん
 ■日付 : 09/10/27(火) 11:55
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   バーディミアス 3部作のジョナサン・ストラウドの新作!

『勇者の谷』
ジョナサン・ストラウド  金原瑞人・松山美保 訳 理論社 2009.8 \2400+税


 舞台は中世を思わせる古い村々のある谷。かつてこの地にいたトローという怪物を追いはらい、自分たちの村を築いた勇者の伝説が残っていた。谷は12人の勇者を先祖にもつ12の領主が治める地所に分かれていた。
 主人公は短くて太い足をもつかっこ悪いハリ。彼の家は12人の勇者の一人スヴェンを始祖に持つ。ハリは勇者スヴェンに心酔し、彼のようになり、彼のように生きたいと望んでいた。だが剣をもって戦った時代は遠い。真冬の荒れた天気の日に生まれた子は不運をまねくともいわれていた。ハリはめっぽう力が強く、きかんきで、機知に飛んだいたずらをしかけ、村中でめんどうを起こし、父親の鞭打ちも効き目がない。家族にとっては厄介者。ハリに勇者スヴェンの話を聞かせてくれる叔父だけが味方だった。そしてハリが14歳の秋、12の領主がすべて集う「集いの日」が彼の家で開かれたとき、ハリのやったいたずらが家同士の古傷を広げることになってしまう。

 向う気が強く、減らず口をたたき、ごたごたを振りまく、チビで身を守る武術も知らない主人公!まったくどうしようもないガキ。村の衆でなくとも毒づきたくなる。自分の置かれた裕福な環境に疑いも持たず、感謝もせず、それなのに周囲に迷惑ばかりかける。なんて嫌なやつなんだろう。作者はどこでこいつを救ってやるのだろうか。ハリの所業にいささかうんざりしながら読み進むと、作者の容赦ないしかけが待っている。主人公の成長とともに物語は、谷に住む人々の信条でもある伝説の意味を問いかけるものへと変わっていく。一味も二味も違うストラウド流民話をぜひどうぞ。


おちゃわん

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 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 【カ賞LL】『勇者の谷』  ■名前 : muzu(WYN-1056)  ■日付 : 10/4/27(火) 11:58  -------------------------------------------------------------------------
   みなさん、こんにちは。

こちらの『勇者の谷』も、2010年カーネギー賞ロングリスト作品です。このツリーを最初に立ててくださったおちゃわんさんのご了解を得て「カ・グ賞候補作を読もう会」のツリーに変身させていだきますね。コメントなど、お気軽にお寄せください。

#2706 に、カ・グ賞候補作を読もう会のご案内があります。やまねこ会員の方用に、会員限定の広場掲示板でも詳しくご案内しております。どうぞ、そちらもご覧くださいね。

muzu

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