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 ▼【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』  つー 06/10/5(木) 0:31
   ┣Re:【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』  さかな 06/10/11(水) 13:30
   ┗Re:【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』  Chicoco 06/10/13(金) 16:15
      ┗Re^2:【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』  つー 06/10/21(土) 15:37

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 ■題名 : 【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』
 ■名前 : つー
 ■日付 : 06/10/5(木) 0:31
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   『朝のひかりを待てるから』
アンジェラ・ジョンソン作/池上小湖訳
小峰書店 2006.09.15
"The First Part Last"

 ボビー、16歳の誕生日。昼間は友達と遊び、夜は父親のレストランで大好きなものをお腹いっぱい食べ、家で母親がケーキを準備し、玄関先の階段では、ガールフレンドのニアが途方にくれ、帰りを待っていた。それが、あのころ。
 そして、いま。ボビーの腕の中には生まれて間もないフェザーが眠っている。

 16歳の妊娠を、少年の側から描いた作品。あのころと現在が交互に語られる。
 友達がいて、彼女がいて、両親は別れていても、事が起これば家族として少年の側に集まってくれ、適度に学校をさぼったり、そこそこ悪さもするけど、普通に幸せな主人公の少年。彼は、生まれた娘を愛している。今を生きる我々にとって、こんなショッキングな事実はあるだろうか? どうして愛しているのか、どうやって愛してきたのか、どうして愛せたのか。興味本位の薄っぺらな想像とは裏腹に、少年の心は優しく、豊かに、そして静かに育っている。もちろん、葛藤はある。でも、それを超える何かがあるのだ。
 何年か前、どうして人を殺してはいけないのかと聞いた少年がいた。人を愛するのに理由はないから。今なら、そう答えられるような気がする。中学生や高校生に読んで欲しい。彼らがどう感じるか不安ではある。しかし、信じてみるほうがいい。

 今年度は直感的なヤングアダルト作品で優れた本が多かったが、最後になって、ようやくゆっくり考えさせる作品に出合うことができた。池上さんの初児童書翻訳作品ということで、少々手前味噌的なコメントで恐縮だが、主人公ボビーの成長と共に、訳された言葉が、次第に力強く、深く染みてくるのを感じ、最後にはボビー自身の声が心に響き、美しかった。

 つー☆WYN-1016☆
 

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』  ■名前 : さかな  ■日付 : 06/10/11(水) 13:30  -------------------------------------------------------------------------
   つーさん

 このボビーが『天使のすむ町』のボビーなのねとしみじみ読みました。
 16歳という、ほんとうにまだまだ若い、幼さが残るといっていいくらいの
 年代に課せられた命の重みを感じました。
 心に残る言葉もあり、すてきでしたね。

 。. さかな <゚)))彡 ・WYN-0021・ . 。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』  ■名前 : Chicoco  ■日付 : 06/10/13(金) 16:15  -------------------------------------------------------------------------
   つーさん、さかなさん

わたしも読みました。
正直に言うと、「16歳の妊娠・育児」がテーマと聞き、「ちょっと苦手かも」と思いながら読み始めました。でも、実際に読んでみると、そのテーマのとりあげ方が愛情あふれるもので、優しいのです。作者の選ぶ言葉(そして訳者が選ぶ言葉)は、命に対してとても温かい。主人公のボビーが悩む姿は、リアルだけどドロドロしていなくて、リアルだからこそよけいに胸に響く、そんなふうに感じました。

Chicoco(WYN-0007)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re^2:【新刊読み物】『朝のひかりを待てるから』  ■名前 : つー  ■日付 : 06/10/21(土) 15:37  -------------------------------------------------------------------------
   さかなさん Chicocoさん 

 亀レスになってますが……。

 この作品のテーマは得意じゃないという感覚を持つ方は確かに多いように思います。翻訳や紹介という立場では進んで手に取るけど、読者の側から考えると、神経を使う題材なので躊躇することもあるでしょうね。そういう意味では、『天使のすむ町』から入って、『朝のひかりを待てるから』を読んでもらうのがいいのかもしれないですね。

 内容と離れるけど、装画がも素敵ですよね。主人公の年代の心の中から見るダウンタウンの風景かな。息子がいい表紙だっていってました。

 つー☆WYN-1016☆
 

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