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 ▼【カSL】"All the Truth That's in Me"  モリー(WYN-1059) 14/6/30(月) 22:42

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 ■題名 : 【カSL】"All the Truth That's in Me"
 ■名前 : モリー(WYN-1059)
 ■日付 : 14/6/30(月) 22:42
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   "All the Truth That's in Me"  by Julie Berry (Templar)

カーネギー賞ショートリスト作品です。
2014年 MWA賞 YA小説部門の候補作にも挙がりました。

ジュディスは4年前、14歳の時に村から姿を消した。一緒に姿を消した少女は川で死
体となって発見されたが、ジュディスはそれから2年後に村に戻ってきた。舌を切り
取られて、しゃべることができなくなって……。
村人だけでなく家族でさえも、異形となったジュディスの存在を忌み嫌い、彼女はい
ないものとして扱われるようになった。村に戻ってきてからさらに2年が過ぎ、18歳
になったジュディスは孤独な日々を送っていた。ところがある日、村が襲撃を受けた。
幼い時から思いを寄せてきたルーカスや家族を守るため、ジュディスは自分を監禁し
舌を切り取った人物に助けを求めるという苦渋の決断を下す。

主人公ジュディスの二人称の物語です。二人称という語り口が気になって、手に取り
ました。主人公が心の中でずっと語りかけている相手は、幼い時から慕ってきたルー
カスで、物語冒頭から最後まで、彼への恋心であふれています。壮大な恋文を読んだ
ような気分になりました。
ですが本作は、初恋を描いた爽やかな作品ではありません。犠牲者のはずなのに白い
目で見られるという、閉鎖的で偏見に満ちた村での息づまる暮らしが生々しく描写さ
れていきます。現在の不遇の暮らしの合間に、昔を思い出すという形で過去が語られ、
やがて猟奇的事件の思いも寄らない真相が明らかに……という、恋心+ミステリーな
作品です。本作には辛い場面がこれでもかというほど出てくるのですが、放り出さず
に読み進められたのは主人公の一途な姿のおかげかな、と思います。

モリー(WYN-1059)

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