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 ▼【新刊絵本】空のおくりもの  えみりい(WYN-0041) 12/3/16(金) 22:45

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 ■題名 : 【新刊絵本】空のおくりもの
 ■名前 : えみりい(WYN-0041)
 ■日付 : 12/3/16(金) 22:45
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    耳に心地よい優しい物語です。

『空のおくりもの 雲をつむぐ少年のお話』
マイケル・キャッチプール文/アリソン・ジェイ絵/亀井よし子訳
ブロンズ新社 2012.2.25


 あるところに雲から糸をつむいで布を織る少年がいました。雲が通ると、少年は糸をつむぎます。朝の雲から金色の糸を、昼の雲からまっ白の糸を、夕焼け雲からあかね色の糸を。母さんから教わったとおり、母さんに教わった歌をうたいながら。

 くもは 空のおくりもの
 すこし もらって
 いるだけ つむぎ
 いるだけ おります
 とんから とん

 けれどもあるとき、少年のしていたふんわりふわふわのマフラーに王さまが目をとめて……。

 アリソン・ジェイはほのぼのと温かな絵を描く画家だと思います。とくに空の色あいと雲の質感がわたしはとても好きです。だから、このお話にはアリソン・ジェイの絵がほんとうにぴったりだと感じます。いっぽう、亀井さんの訳もほんとうに優しく温かく、つい口ずさみたくなるようなリズムが舌に心地よくころがります。読み聞かせたい、読み聞かせられたい、すてきな物語です。

 アリソン・ジェイの絵には遊び心もあふれていて、画面のあちこちに楽しい発見があります。空の雲を見上げて、「○○のかたちだ」とうれしくなることってよくありますね。この絵本の空にもいろいろなかたちの雲が浮かんでいます。それから、たとえば最初のページにならんでいる丘。ぽっこりぽっこりならんだ丘の立ち木や草をはむ羊たち、中腹の池などが目鼻となって、それぞれの丘にユーモラスな表情をつけています。その表情がストーリーの進行にあわせてしだいに変化していくところにもご注目。

 さて、昔話の王さまによくあるように、この王さまもとても欲ばりでした。王さまのわがままは不幸をまねきます。けれども、それは思わずにっこりしてしまうような、すてきなかたちで解決されるのです。

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