Page 958 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊絵本】『ヒヤシンスひめ』 ちゃぴ(WYN-1026) 10/6/29(火) 17:04 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊絵本】『ヒヤシンスひめ』 ■名前 : ちゃぴ(WYN-1026) ■日付 : 10/6/29(火) 17:04 -------------------------------------------------------------------------
みなさま 野坂悦子さんの訳文が生き生き踊る、かわいらしくて楽しい絵本です。 『ヒヤシンスひめ そらに うかんだ おんなのこの あっと おどろく おはなし』 "Princess Hyacinth" フローレンス・パリー・ハイド(Florence Parry Heide)文 レイン・スミス(Lane Smith)絵 野坂悦子訳 光村教育図書 ISBN 978-4-89572-808-9 本体価格 1500円+税 ヒヤシンスひめには、悩みがありました。からだが浮かんでしまうのです。だから、からだをどこかに結びつけておくか、重いおもりをつけておくかしなければなりません。お城の外へ出るなんてとんでもない。毎日とっても退屈です。とうとう、ひめはお城の外へでる決心をしました。すると、大変なことが……。 からだが浮かぶお姫様といえば、ジョージ・マクドナルドの「かるいお姫さま」を思い出します。ヒヤシンスひめは、「かるいお姫さま」とよく似ていますが、自分の重さのない体質?を悲しく思っていて悩んでいるとこが違います。「かるいお姫さま」は身も心も軽いのですが、ヒアシンスひめは、心は重いのです。からだをどこかに縛りつけ、重りをつけているのと同じように、心も縛られ、ずっしりと重りをつけているのです。 ほんとは軽いのに重くしてなくちゃならない――切実な悩みです。でも、浮かないために、からだごとすっぽりと入ってしまいそうな大きな冠をかぶり、「おひめさまふく」に金の玉を引きずりながら歩くヒアシンスひめの様子はとても滑稽。憂鬱な日をすごすひめには申し訳ないけれど、笑っちゃいます。 想像を膨らませた出来事を軽妙に語る文を、レイン・スミスがユーモラスに描いて見せ、いっそう楽しくしています。そして、その楽しさをさらに倍増しているのが、ときどき、ふわふわと浮かぶ文字。「ヒヤシンスひめのからだは、うかんでしまうのです」のセンテンスは、ページのきわ、ぎりぎりにまで浮かんでいて、ひめが浮かぶということが実感として伝わってきます。 さあ、ヒアシンスひめの悩みは解決されるでしょうか――。 ふふっ、淡い恋と偶然がかさなって、すてきに解決されますよ。完全にとはいえませんが……。ラストは、ヒアシンスひめも、読者もハッピーになれます。 ☆メープルストリート紹介ページ ttp://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm ☆光村教育図書HP ttp://www.mitsumura-kyouiku.co.jp/ *上のURLへ飛ぶときは、 コピーして頭に h を加えてください。 ちゃぴ(WYN-1026) <ZonchBrowserPro@catv-218-228-85-152.ctk.ne.jp> |