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 ▼【新刊読み物】『とむらう女』  ちゃぴ(WYN-1026) 09/12/8(火) 5:58

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 ■題名 : 【新刊読み物】『とむらう女』
 ■名前 : ちゃぴ(WYN-1026)
 ■日付 : 09/12/8(火) 5:58
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   みなさま

 ヤングアダルト小説のシリーズ、「金原瑞人選オールタイム・ベストYAシリーズ」が作品社の刊行で、はじまりました。
 このシリーズについて、「選者のことば」にはこう書かれています。

***引用****
 つまり、作品の古い新しいに関係なく、海外で売れている売れていないに関係なく、賞を取っている取っていないに関係なく、読みごたえのある小説のみを出していくということだ。
***********

 志の高さを感じます。

 1作目の本作は、心に静かに響く作品です。

『とむらう女』
"The Shrouding Woman"

ロレッタ・エルスワース(Loretta Ellsworth)作
金原瑞人選
代田亜香子訳

ISBN 978-4-86182-267-4
定価 本体1,600円+税

 大草原の広がるミネソタ州に、11歳のイーヴィと5歳の妹はパパと暮らしている。ママが亡くなってまもない。そこへ、パパのお姉さんのフローおばさんが家族の世話をするためにやってきた。フローおばさんは、おとむらい師と呼ばれている。おとむらい師というのは、死者の埋葬の準備をする女性だ。
 幼い妹はすぐおばさんになついたが、イーヴィは反発する。おばさんがママの場所にいて、ママの仕事をするのがいやだし、人の死と関係する、おとむらい師という仕事も怖い。

 肉親の死を受けいれるには、たくさんの時間が必要です。まだ母の死を受けいれられないイーヴィは、フローおばさんがママの存在を奪ってしまうような気がして、素直におばさんを受けいれることができません。イーヴィの頑なな気持ちをフローおばさんはちゃんと理解していて、やさしく見守り、イーヴィの気持ちがとけるのを待ちます。その賢さと大きさにわたしはとても惹かれました。

 イーヴィは、亡くなったママとつながる場所である「ママの庭」の手入れ、迷子の子ギツネとの出会いなどを通して、また、おとむらい師の仕事を知っていくことで、命、生、死について考え、理解していくのです。

 物語の時代は19世紀半ば。鉄道敷設やインディアン、カーボーイの話もでてきます。『パーシーと気むずかし屋のカウボーイ』(ウルフ・スタルク作 小峰書房)のおじいちゃんのヒーロー、バッファロー・ビルの名前も出てきて、おおっと思いました。
 

☆メープルストリート紹介ページ
ttp://www.litrans.net/maplestreet/p/sakuhin/index.htm

☆作品社HP
ttps://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/
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ちゃぴ(WYN-1026)



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