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 ▼【新刊読み物】『メイク・ビリーブ・ゲーム』と『聖人と悪魔』  ワラビ 09/10/29(木) 17:02
   ┗Re:【新刊読み物】『メイク・ビリーブ・ゲーム』と『聖人と悪魔』  おちゃわん 09/11/7(土) 22:18

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 ■題名 : 【新刊読み物】『メイク・ビリーブ・ゲーム』と『聖人と悪魔』
 ■名前 : ワラビ
 ■日付 : 09/10/29(木) 17:02
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   みなさん、こんにちは。

母親と娘の作品を、それぞれ読みました。
『メイク・ビリーブ・ゲーム』のほうは、#2487で紹介されている『靴を売るシンデレラ』と同じ、小学館の「SUPER!YA」のシリーズです。


『メイク・ビリーブ・ゲーム』 リアノン・ラシター作 乾侑美子訳 小学館 2009.08
"Bad Blood" (2007) by Rhiannon Lassiter

 子連れで再婚したピーターとハリエット。2年半が過ぎても、新しい家庭はなかなかうまくいかない。ハリエットの娘キャトリオーナ15歳とピーターの娘キャスリン13歳は、共にキャットという愛称で呼ばれてきており、互いに名前を譲ろうとせず反発しあってた。キャトリオーナの兄ローリー16歳とキャスリンの弟ジョン10歳はおとなしい性格で、表面上はそれなりにやっている。そんな中、一家は、キャスリンとジョンの死んだ母親アンが育ったという、イギリスの湖水地方にある古い屋敷で、休暇を過ごすことになる。そこで奇妙な事件や現象が続き、四人の子どもたちは恐怖に震えることになる……。

 朽ちかけた大きな屋敷に深い森、屋根裏部屋にしまわれていた人形たち、鏡に映る影……物語の舞台も小道具もなかなかのものだ。自分の子ども時代について決して語ろうとしなかったというアン、登場人物の名前が黒い線で消された本の山、アンの残したノートに書かれたメイク・ビリーブ・ゲーム(ごっこ遊び)。冒頭に提示された昔の謎が、徐々に恐ろしい現実となって子どもたちに降りかかっていく展開は見事で、釘付けになった。不幸な境遇、そこから生まれる怒りが、闇の力に結びついていくのはファンタジーと同じだが、そのリアルさ加減が「ホラー」になるのだなと思った。
 背筋が寒くなるこの物語を書いたリアノン・ラシターは、メアリ・ホフマンの娘さんだそうです。

2008年ガーディアン賞ロングリスト
2008年ブックトラスト・ティーンエイジ賞ロングリスト


『聖人と悪魔 呪われた修道院』 メアリ・ホフマン 乾侑美子訳 小学館 2008.10
"The Falconer's Knot" (2007) by Mary Hoffman

 1316年のイタリアが舞台。思いを寄せる女性の夫が殺される現場に居合わせたせいで、16歳のシルヴァーノは殺人の容疑をかけられてしまう。貴族の父親の手配により、シルヴァーノは修道院に身を寄せるのだが、その神聖なる修道院でも殺人事件が次々と起こり……。同じ頃、隣接する女子修道院に、お金に困った兄によって少女キアーラが預けられる。神に身を捧げるつもりのない二人は、じょじょにひかれあい、共に連続殺人の謎に迫っていく。
 アッシジの大聖堂やフレスコ画家のシモーネ・マルティーニなど実在の物や人物が登場するなど歴史物ならではの要素も満載。それに加えて、修道院の暮らしや、この時代の女性の生き様も興味深かった。ミステリーとラブストーリーの要素も加わった贅沢な読みものである。

2007年ガーディアン賞ショートリスト
2007年度アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門ショートリスト


 どちらが好きかというと、どちらも趣があるのでくらべられないなあというのが正直なところです。読まれた方、いらっしゃいますか?

ワラビ(wyn-1001)

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 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】『メイク・ビリーブ・ゲーム』と『聖人と悪魔』  ■名前 : おちゃわん  ■日付 : 09/11/7(土) 22:18  -------------------------------------------------------------------------
   ワラビさん


>『聖人と悪魔 呪われた修道院』 メアリ・ホフマン 乾侑美子訳 小学館 

読みました!

>ミステリーとラブストーリーの要素も加わった贅沢な読みものである。

まさにその通りです! さすが、メアリ・ホフマン!
キアーラの生き方がいいわぁ。

>『メイク・ビリーブ・ゲーム』 

こちらは例の人形が出てきた時点で、停まってしまいました。
固まったというべきか……

おちゃわん

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@p1165-ipbf310kyoto.kyoto.ocn.ne.jp>
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