Page 842 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 さかな wyn-0021 09/5/31(日) 18:31 ┣Re:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 さかな wyn-0021 09/6/2(火) 15:40 ┣Re:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 横山 09/6/4(木) 11:45 ┃ ┗Re^2:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 ゆま 09/7/15(水) 11:50 ┃ ┗Re^3:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 横山 09/7/16(木) 16:20 ┗Re:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 おちゃわん 09/9/26(土) 15:59 ┗Re^2:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 横山 09/9/28(月) 9:57 ┗Re:Re^2:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 おちゃわん 09/9/29(火) 11:39 ┗Re^3:【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 横山 09/9/30(水) 9:29 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊読み物】『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』 ■名前 : さかな wyn-0021 ■日付 : 09/5/31(日) 18:31 -------------------------------------------------------------------------
『グリーンフィンガー〈約束の庭〉』 ポール・メイ 作 シャーン・ベイリー 絵 横山和江 訳 さ・え・ら書房 2009/06 Green Fingers by Paul May illustrated by Sian Bailey 2002 ☆2002年度カーネギー賞ロングリスト作品 ・あらすじ・ 主人公の少女ケイトは、ロンドンから田園風景広がる田舎町に引越すことになる。パパが広い庭のある大きな古い家をリフォームしながら、在宅で仕事をしようと計画したからだ。けれど、最近けんかばかりしているママは、ロンドンでの自分の仕事から離れことを選択せず、平日は今まで通りロンドンで仕事をし、週末だけ戻ってくると宣言する。 弟のマイクは新しい家での生活を受け入れ、パパに協力する。末っ子のエミリーは保育園での生活リズムに慣れていく。ただひとりケイトだけは、日常の大半を過ごすことになる学校生活に大きなストレスをかかえている。パパとママの不仲も気になるのもあるけれど、どこの学校でも〈問題児〉扱いされることに、うんざりしているのだ。読み書きに高いハードルを感じているケイトにとって、学校での授業や、先生方が自分に対する態度、先入観に不満をつのらせる。 けれど、悪いことばかりではない。新しい隣人であるウォルターとの出会いは、ケイトに大きな変化をもたらす……。 ・感想・ 自分がどんな才能をもっているか。そんなことは案外自分で気づかない。読み書きに苦労しているケイトが気づくことになる才能も、本来望んで来た場所ではなかった。 児童文学で多く語られる庭の効用。人と関わることではなく、ものいわぬ、草花を育て慈しむことが、子どもの成長に大きな影響を与えることは、いろいろな物語で語られている。本作でもそう。庭をはじめてもったケイトは、最初から興味をもっていたわけではない。ところが、ひょんなことから庭仕事にせいを出す。きっかけは、ちょっと胸が痛くなるものではあったけれど、結果としてケイトを成長させる大きな力となっていくところが、ページをくるごとによく伝わってきた。 両親の価値観にずれが出て、父親の選んだ田舎の生活を母親は受け入れることができない。経済的な理由も受け入れられない理由にあげる母親。けれど、子どもと離れることに悩んでいないわけではない。そんな母親の心の揺れは、子ども目線で読んでいると、苦しくせつなかった。母親に限らず、父親も含め出てくる大人はみな悩みを抱え、折り合いをつけながら生活している。まっすぐな幸福を描いているのではなく、小さな苦しみ、不幸も織り交ぜ、生きづらさとつきあいながら、ケイトだけでなく、大人たちも変化していく姿は、しみじみと心に染みいってくるものがある。 最後の一文であるケイトの声はいつまでも耳に残った。 さかな <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.10) Gecko/2009042316 Fir...@s142187.ppp.asahi-net.or.jp> |
ひゃあ、すみません。タイポです。 あらすじの1パラめ。 ロンドンでの自分の仕事から離れことを選択せず、 ↓ ロンドンでの自分の仕事から離れ「る」ことを選択せず、 離れ「る」が抜けてました。 さかな <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; ja; rv:1.9.0.10) Gecko/2009042316 Fir...@s142187.ppp.asahi-net.or.jp> |
さかなさん、こんにちは。 今日あたりから書店にではじめているころかと思いますが、いち早くご紹介いただき、ありがとうございます! おっしゃるように、主人公のケイトを軸に、大人たちも悩み成長していくのですよね。庭が舞台になっているのがイギリスらしいですが、根底を貫いているものはどの国でも同じなので共感できるところがあると思います。 扉や章はじめの絵は、絵本作家のシャーン・ベイリーが描いていてとてもすてきです。表紙は装丁の方が色をつけてくださいました。ネット書店などで見ていただけたらと思います。 横山和江 <ZonchBrowserPro@ntymgt039225.ymgt.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp> |
さかなさん、横山さん、こんにちは。 私も読みました。 序盤では、誰にも理解してもらえない苦しみを抱くケイトを痛々しく思いました。苦しみが高じて問題を起こしてしまったり、それでまた人から白い目で見られてしまったり……。それが、ウォルターに出会い、次第に「自分らしさ」に目覚めて庭作りに打ちこむ姿は、本当に生き生きしていました。誰にでも適性や可能性があるんだということ、それを生かして誰もが「本当の自分」に自信を持って生きていけたら、と思いました。 さかなさん、こちらでのご紹介、ありがとうございました。 横山さん、すてきな作品を日本に紹介してくださり、ありがとうございました。 余談ですが、実は我が家、庭が結構広いのですが、ほとんどのスペースが放ったらかしで荒れ放題、雑草は恐ろしいほどです……(ちなみに私はブラウンフィンガー)。ケイトが夢みる、すてきな庭の描写を読むと、ここも再生できたらな〜と思います(ものすご〜く時間がかかりそう)。 ゆま(WYN-1032) <ZonchBrowser@ntchba081186.chba.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp> |
ゆまさん、こんにちは。 ご感想をお聞かせくださり、ありがとうございます! ケイトの気持ちによりそって読んでいただき、うれしいです〜ある意味、この作品は大人も「本当の自分」を探しているように思えました。 お宅の庭が広いとのこと、うらやましい限りです。わたしはマンション暮らしではあるものの、この作品をきっかけに少しずつ緑を増やしています。せっかくのお庭、ぜひ楽しんでくださいね。 横山 <ZonchBrowserPro@ntymgt025036.ymgt.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp> |
さかなさん、ゆまさん、横山様、みなさん! >『グリーンフィンガー〈約束の庭〉』 やっと図書館で手に入れ、読むことができました! ケイトの強烈なエネルギーに圧倒されっぱなしでした。 実は以前、彼女と同じようなハードルを持つ子とかかわりがあり、 彼女もまたとてつもないエネルギーを発散していたことを思い出しました。 この本を読んで、彼女の役に立てるもっと上手い方法があったのではないかと 考えてしまいました。PCでのタイピングはいっしょにやったのですけれど。 家族それぞれ個性的で、魅力的な人間として描かれているのも素敵でした。 もっとも羨ましかったのは、隣人のウォルターです。 もし人生の黄昏時に、今まで知らなかった人々とこんな素敵な出会いをすることが できたら、どんなにすばらしい事でしょうか。 しかも彼にとってはかけがえのない場所が鍵なんて! ロマンチックだなぁ。 おちゃわん <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@p1165-ipbf310kyoto.kyoto.ocn.ne.jp> |
おちゃわんさん、こんにちは。 読んでくださってありがとうございます。 ウォルターの庭の思い出は、おっしゃるようにとてもロマンチックですよね。今回、扉絵しかありませんでしたが、庭の全体図を想像したり描いてみたりして訳出しました。 ケイトのようなお子さんといっしょにタイピングされたとのこと、わたしは本で読んだ知識だけなので、もっとお話を伺いたくなりました。 横山 <ZonchBrowserPro@ntymgt025094.ymgt.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp> |
横山さま ありがとうございます! > 今回、扉絵しかありませんでしたが、庭の全体図を想像したり描いてみたりして訳出しました。 庭の全体図も見てみたい気がしました。 挿絵にある数々の植物についても興味しんしんになりました。「プーさんのお料理ブック」みたいに「グリーンフィンガーのイングリッシュガーデン」なんてあると楽しいです。もっぱらながめて楽しむ派なのですが。 > ケイトのようなお子さん 彼女もケイトに負けず劣らずかんしゃくもちで頑固もの。 人一倍根性はありましたが、たいへんでした。 ケイトが書く技術を獲得していく過程は、読んでいてとても嬉しかったです。 おちゃわん <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@p1165-ipbf310kyoto.kyoto.ocn.ne.jp> |
おちゃわんさん、お返事ありがとうございます。 「グリーンフィンガーのイングリッシュガーデン」、すてきです〜庭ではないのですがわたしはカウパセリの咲き乱れる道を歩いてみたいです。 >ケイトが書く技術を獲得していく過程は、読んでいてとても嬉しかったです。 実体験のある方からこんな風にいっていただき感激です。そのお子さんは今どうしていらっしゃるのでしょうね。日本での支援がもっと広がっていくことを期待しています。 横山 <ZonchBrowserPro@ntymgt035108.ymgt.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp> |