Page 747 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【絵本】『ミラクル・ボーイ』 muzu(WYN-2204) 09/1/24(土) 0:09 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【絵本】『ミラクル・ボーイ』 ■名前 : muzu(WYN-2204) ■日付 : 09/1/24(土) 0:09 -------------------------------------------------------------------------
みなさん こんにちは。初めてこちらに投稿します(ちょっぴり緊張)。 来月、菱木さんの講演会に行くので、今、せっせと菱木さんの訳書を読んでおります。新刊というには、ちょっと時間が経ちすぎているのですが、とても気に入ったこちらの作品、ぜひ、アップさせてくださいませ。 ********************************* 『ミラクル・ボーイ』 ウルフ・スタルク文/マルクス・マヤルオマ絵/菱木晃子訳 ほるぷ出版 定価1,365円(税込) 2008.06 41ページ ISBN 4593504992 "MIRAKELPOJKEN" text by Ulf Stark, illustrations by Markus Majaluoma Bonnier Carlsen Bokforlag ( Bokforlag の o の上にウムラウト記号), 2006 ぼくはウルフ。おにいちゃんたちと自転車レースを見に行きたかったのに、まだ小さいからっておいてけぼりにされちゃった。パパとママも、ぼくひとりだと絶対迷子になるからと言って外に出してくれない。ひとり、家で留守番するあいだ、ぼくはおにいちゃんのマンガをこっそり読んだ。『スーパーマン』とか『バットマン』とか。ヒーローたちが着ている服って、かっこいいな。ぼくの着ているこの赤いパジャマみたいだ。そうか、それならぼくもヒーローなのかもしれないぞ。時速1万キロで空を飛んで、悪者をやっつけ、自転車レースで優勝するんだ。迷子にだってならないぞ。だって、ぼくはミラクル・ボーイなんだから! 空想のなかでミラクル・ボーイに変身したウルフくん。気づけば、愛車(もちろん自転車)にまたがり、さわやかな空気のなかを疾駆していました。こいで、こいで、自転車レース中の選手たちと一緒に走り、いつの間にか空へ。と、ここまでは調子がよかったのですが、現実の世界はミラクルではありませんでした。すっかり遠くまで来てしまったウルフくん、やっぱり迷子です。無事におうちに帰れるのでしょうか? 子どもの豊かな想像力は、時に空想の世界と現実の境界をあいまいにします。空想の力を借りることで、思い切って羽を広げて外へ飛び出したウルフくん。はっと現実に戻ったときの狼狽ぶりといったらないのですが、子どもはこうやって空想世界と現実を行きつ戻りつすることで、自分の世界を広げ、現実に対処するたくましさを身につけていくのでしょう。自伝的作品で人気のあるスタルクですが、本作でもユーモアあふれる筆致に自分の子ども時代を懐かしみ、そして、いとおしむ気持ちが現れているように感じました。マヤルオマの描くなんともひょうきんでのほほんとしたイラストも、人物の絶妙なデフォルメ具合や細部に施された小技が愉快で、見ているだけでもあきません。さらに、リズミカルな菱木晃子さんの訳とが相まって、読者はウルフと一体となり、耳元をかすめる風の音を感じることができる楽しい絵本だと思います。 muzu(WYN-2204) <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322; .NE...@ch202124015213.ch-you.ne.jp> |