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 ▼【新刊読み物】『ルウとおじいちゃん』  おちゃわん 08/10/31(金) 10:19

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 ■題名 : 【新刊読み物】『ルウとおじいちゃん』
 ■名前 : おちゃわん
 ■日付 : 08/10/31(金) 10:19
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   「あたしたちは水曜の朝になるといつも、おじいちゃんと、
「田舎」へ出かけていくことにしていた。」

この最初の一行で、フランスの作品だ! とピンときた一冊。

“世界の児童文学賞ラリー”にもレビューをアップする予定です。

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『ルウとおじいちゃん』クレール・クレマン 作 / 藤本優子  訳
講談社/2008.8/ ¥1400+税 ISBN978-4-06-214912-9
“Loulette”by Claire Clement  2006
2007年クロノス賞受賞作品。

クロノス賞についてはこちらを ttp://www.prix-chronos.org/images/japonais.pdf


 ルウと弟のテオは、少し離れたところに住む祖父母を訪ねるのが習慣になっていた。ところがある日、祖母が亡くなってしまう。突然なことに祖父は茫然自失。何もしなくなってしまった。
 子ども二人を抱えて働くルウたちの母親は、祖父を施設に入れようとする。ルウは猛然と反対。ある行動を起こす。

 この作品には「老人」「子ども」に「動物」や「詩」まで加わり、さらに「ホームレス」まで登場する。『橋の下のこどもたち』のアルマン老人のように気のいいお方が登場する。物語の中でホームレスが温かい役割を引き受けるなんて、日本では考えられないことだ。(わたしが知らないだけ?)
 もちろんお話だからこそだろうが、そうとわかっていても、うらやましくなる。ルウの行動には考えさせられるし、作者が雑誌編集者だからか、結末があまりにも……と思ってしまう。しかし、それらを差し引いても、暗くなりがちな老人問題を考える上には、ここにあるような夢が必要だと思う。思わず知らずほろりとくる一冊。

おちゃわん(WYN-2134)

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