Page 712 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊読み物】『ペニー・フロム・ヘブン』 SUGO 08/10/15(水) 14:25 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊読み物】『ペニー・フロム・ヘブン』 ■名前 : SUGO ■日付 : 08/10/15(水) 14:25 -------------------------------------------------------------------------
なにげなく新刊コーナーで手に取り読みましたが、タイトルだけを紹介するには惜しい本なので、がんばって内容を書いてみました〜 『ペニー・フロム・ヘブン』 ジェニファー・L.ホルム作/もりうちすみこ訳/ほるぷ出版/2008.7 ★ニューベリー賞オナー作品 舞台は1953年のアメリカ・ニュージャージー州の小さな町。11歳の主人公のペニー(これは呼び名で本名とは別。この命名には深い物語がある)は幼いときに父親を亡くしていたが、野球好きで元気な少女。やんちゃでトラブルを起こしがちないとこのフランキーとつるみ、にぎやかな夏休みを過ごしていた。 一家の暮らしを支えるペニーの母親と祖父母との3人暮らしは変化に乏しくどちらかといえばたいくつな一方で、イタリア移民である父方の親戚たちは、ことあるごとに集まってはごちそうを食べ、ペニーを大切に扱ってくれる。ペニーの母親は、なぜか父方の親戚を快く思っていないようだった。自分の家と親戚のあいだを毎日行き来しては、双方の家庭を客観的に批評するペニーの軽妙な語り口が楽しくて、するすると読んだ。 母親の再婚話や、親戚をめぐるどたばたに加え、アメリカの深い歴史的背景が垣間見られ、読み応えのある作品だった。この話に登場するご老人は、とっても元気。イタリア語しか話そうとしない父方のおばあちゃんは料理上手で豪快だし、ペニーに料理を酷評される「ばーば」は厳しいながらも思いやりがあり、耳が遠くてすっとんきょうな行動をする「じーじ」も独特だけれど味がある。どことなくリチャード・ペックの作風を思い出した。 SUGO *=*=WYN-1012=*=* <ZonchBrowserPro@ntymgt040168.ymgt.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp> |