過去ログ

                                Page     638
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   通常モードに戻る  ┃  INDEX  ┃  ≪前へ  │  次へ≫   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ▼【新刊読み物】『ガッチャ!』(主婦の友社)  おちゃわん 08/2/26(火) 11:22

 ───────────────────────────────────────
 ■題名 : 【新刊読み物】『ガッチャ!』(主婦の友社)
 ■名前 : おちゃわん
 ■日付 : 08/2/26(火) 11:22
 -------------------------------------------------------------------------
   いつでも老人と子供は児童書のヒーロー?
ご老人とティーンの爽快活劇です。


『ガッチャ!』(主婦の友社)
ジョーダン・ソーネンブリック 作/池内 恵訳/主婦の友社/2008.1/¥1400
“Notes From The Midnight Driver”by Jordan Sonnenblick 2006


 アメリカでは青少年が飲酒運転で事故ると裁判になるのかぁ。とまずびっくり。(って日本でも同じですか?)さらに刑がボランティアに従事することで執行されるというのもびっくり。
 主人公アレックスは離婚した母親がデートに出かけた隙に、出て行った父親の残した酒をあおり、母親の車をぶっとばす。彼の計画では父親の家に乗り付け、父親とその浮気相手にどなりつけるつもりだったのだが……。気がつけば車は近所の庭に突っ込み、警察官の靴にゲロしつつあらぬことをわめいていた。
 アレックスは品行方正とはいえないけど、まあまあそこそこの少年だったし、初犯だし、車の犠牲者は庭のノーム人形だけだったのだが、飲酒運転を大変憎む判事の採決により、老人ホームで100時間の労働奉仕となる。さあ、そこでアレックスを待ち受けていたのが、機関銃のように皮肉を発射し、来るものすべてを打ち落とす気骨あふれるご老体ソロモン。見かけは妖精、実体は百戦錬磨の空手達人幼なじみのローリーもからんで、物語は精神的軟弱少年アレックスの精神鍛錬物語となる。しかし、アレックスがへたくそなギターをじいさんの病室で練習したことから転機が訪れる。じいさんの目に涙が…。じいさんの過去の事情と、過酷な病状というシビアな現実を背骨に、肉付けされるアレックスの七転八倒の活躍がなかなか見ものだ。

 このおじいさんソルがとってもイカス!根性曲がりじいさんには向かうところ敵なし。表題の「ガッチャ」はじいさんが誰かをまんまと引っ掛けるたびにのたまう言葉です。ポーランド移民であるじいさんが言う『シュルマゼル』というイディッシュ語はI.B.シンガーの物語以来で懐かしかった。

おちゃわん

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@p1137-ipbf303kyoto.kyoto.ocn.ne.jp>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    通常モードに戻る  ┃  INDEX  ┃  ≪前へ  │  次へ≫    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                 Page 638