Page 602 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼新刊読み物『曲芸師ハリドン』 おちゃわん 07/10/31(水) 21:55 ┗Re:新刊読み物『曲芸師ハリドン』 SUGO 07/11/5(月) 9:21 ┗Re:新刊読み物『曲芸師ハリドン』 おちゃわん 07/12/7(金) 11:37 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 新刊読み物『曲芸師ハリドン』 ■名前 : おちゃわん ■日付 : 07/10/31(水) 21:55 -------------------------------------------------------------------------
『曲芸師ハリドン』 ヤコブ・ヴェゲリウス作・絵/菱木晃子訳/あすなろ書房/2007.8 /“Esperanza”by Jakob Wegelius 2000 じっとこちらを試すように見つめている瞳と、一文字に引きむすび、物問いたげな唇。表紙を飾る曲芸師ハリドンだ。かたわらで片目をつぶり、ハリドンをうかがうように見つめ、足で首を掻いている犬が愛嬌たっぷり。著者によるこの心引かれる絵に釣られて手にした一冊。スウェーデンから届いた大人の童話。 ハリドンは一輪車にのり、銀色の玉をいくつも一度に操る曲芸師。一日の仕事が終われば、「船長」のいる家に戻る。ところがその日「船長」はいなかった。夜中になっても戻ってこない船長を探してハリドンは夜の町にでかける。物語はたった一夜のことなのに、バーのマダム、公園ののら犬、警察官、ギャンブルに負けた金持ち、船員など、さまざまな人生を垣間見せる。ハリドンと「船長」が出会ったころの話が交錯しつつ、迷路のような夜の町を「船長」の姿を求めつづける。夜明けに港を出て行く船にむかって叫ぶハリドンにこちらの心もこごえそうになるのだが……。 たった一人の「家族」を探す淋しく辛い話のはずなんだけど……。「決して人を信用しないこと」を心情に生きてきたハリドンにからむ「人間語」を話す犬が茶目っ気たっぷり。血走ったギャンブル狂の金持ちすら、酔いつぶれた船員にもユーモアを感じる。 どうしてバーのマダムが言ったように、家で待たないのだろう。暖かい部屋に戻らないのだろう。あてもなく夜の町をうろつくハリドン。一歩間違えば悪夢のようなお話になるはずなのに、この本の根底には人それぞれの孤独を肯定しつつ、生きていくことへの讃歌が感じられる。全体に流れる暖かさの潮流に触れれば、淋しくもあるけど、裏切られることはないという確信がわいてきた。 おちゃわん <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@p1251-ipbf203kyoto.kyoto.ocn.ne.jp> |
おちゃわんさん、こんにちは。 このお話、気になりつつまだ手に取れていませんでした。ぜひ読んでからやまねこ賞の投票をしたいと思います〜 SUGO *=*=WYN-1012=*=* <ZonchBrowserPro@ntymgt040024.ymgt.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp> |
SUGOさん ものすご〜く、間が抜けたお返事ですいません〜。 賞候補には入ってなかったようですがぁ。 お読みになりました? また、ご感想お聞かせくださいね。 おちゃわん <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@p2031-ipbf202kyoto.kyoto.ocn.ne.jp> |