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 ▼未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  コアラン 07/11/22(木) 12:39
   ┗Re:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  ぐりぐら★WYN-1039 07/11/22(木) 12:59
      ┗Re:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  コアラン 07/11/23(金) 11:13
         ┗Re^2:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  ぐりぐら★WYN-1039 07/11/27(火) 14:51
            ┗Re:Re^2:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  コアラン 07/11/29(木) 5:49

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 ■題名 : 未訳読み物"The Shadows of Ghadames"
 ■名前 : コアラン
 ■日付 : 07/11/22(木) 12:39
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   みなさま、こんにちは。

この本を初めて手にとったとき、表紙にMildred L Batchelder Awardというシールがぺたりと貼ってあったので、これは今参加中の世界児童文学ラリーで感想を書けるぞ、と読みました。が、その後調べた結果、この賞は作品に対してではなく、米国ですぐれた児童書を翻訳出版した出版社に対しておくられる賞だということが分かりました。なのでラリーの対象ではなかったのですが、とてもよかったので読書室のほうで紹介させていただきます。オリジナルはフランス語ですが、私が読んだのは英語版です。

”The Shadows of Ghadames”
Joelle Stolz作(最初のeのうえにウムラウト)  
  
あらすじ
 19世紀、11歳の少女マリカはリビアのガダメスで、両親、父親の第二夫人、その息子とともに暮らしている。ガダメスでは、男と女で生活は厳密に違う。家々のテラスはつながっていて、女たちはテラスを伝って行き来し、地上の道はもっぱら男たちのものだ。マリカはまだ子供だから外に出ることもできる。だがあと1年もすれば、結婚してテラスのうえが生活の場となるはずだ。好奇心旺盛なマリカは、そのことが不満だった。自分も父のように外の世界を見てみたい。それに弟のように読み書きを習いたい。
 ある日、商用で父親が家を空けている間に、マリカと第二夫人のビルキスは重傷を負った男を助けた。その男が追われていたことから、マリカたちは男をかくまうことになる。

6.感想
 ガダメスという都市についても、19世紀の彼らの暮らしについても、まったく知識がなかったので、新鮮な驚きとともに物語を読み進めた。男と女は全く違う人生を送ることが決められた世界。女たちはその生活のほとんどをテラスで送るということに、初めは女性差別という言葉を思い浮かべたが、次第にことはそんなに単純ではないと思えてきた。自分とは違った文化、宗教をもつ人々の生活について、その是非を簡単に判断することはできないだろう。
 伝統に則ったマリカたちの暮らしは、男尊女卑の世界に見える。けれどもマリカの父親はマリカが読み書きを覚えることに賛成するし、第二夫人のビルキスを始めとする女たちは、男に頼らずとも自分で判断し行動する。かくまわれた男は、初め女たちを見下していたものの、次第に考えを改める。マリカの父親は、これから世界はどんどん変わっていくとマリカに話すが、人々の意識が世界を変えていくのだと感じた。
 作者はフランス人のジャーナリストだということだが、19世紀ガダメスの独特の暮らしについて一方的に批判的になることもなく描いていることに好感を持った。 

コアラン

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@pool-71-247-151-58.nycmny.east.verizon.net>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  ■名前 : ぐりぐら★WYN-1039  ■日付 : 07/11/22(木) 12:59  -------------------------------------------------------------------------
   コアランさん

おもしろそうな作品ですね。わたしは「シャバヌ」を思い出しました。

わたしもリビアのガダメスなんて、まったく知らなかったので、ちょっとググってみたところ、こんなサイトを発見しました。
ttp://homepage3.nifty.com/travel-y-ono-4-4/libya/web4.htm
(頭にhをつけてください)

恐らくここで紹介されている旧市街が、舞台なんでしょうね。それにしても、このサイトのなかほどで、砂漠の民と出会ったとあり、もらった名刺にメルアドが書いてあって、写真添付のメールがきた、と書いてあったのにはびっくりしました。砂漠の民もパソコンの時代なのね〜

ぐりぐら


<ZonchBrowserPro@eaoska212054.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  ■名前 : コアラン  ■日付 : 07/11/23(金) 11:13  -------------------------------------------------------------------------
   ぐりぐらさん

コメント、ありがとうございます。
「シャバヌ」という本、知りませんでしたので、今アマゾンで見てきました。
やはりイスラムの少女が主人公の本なのですね。興味あります。

ご紹介くださったサイトも見ました。
この物語は19世紀のガダメスが舞台ですが、今や砂漠の民もコンピューター時代なのですね〜。
私もこの本を読んで、ガダメスをいろいろ検索してみたのですが、このサイトのようにテラスの上からの写真が載っているものは見つけられませんでした。この写真を見て、物語の女たちの暮らしのイメージが鮮明になった感じです。ありがとうございます。

コアラン

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@pool-71-247-151-58.nycmny.east.verizon.net>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re^2:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  ■名前 : ぐりぐら★WYN-1039  ■日付 : 07/11/27(火) 14:51  -------------------------------------------------------------------------
   コアランさん

シャバヌもぜひぜひ読んでみて〜

『シャバヌ――砂漠の風の娘』
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591083780 /yamanekohonya-22
『シャバヌ ハベリの窓辺にて』
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591085902/yamanekohonya-22

文化や慣習は、その国それぞれで、どれが幸せって一概に言えるものではないとわかってはいるものの、自分の文化というフィルターを通して判断してしまうから、どうも中近東の慣習には幸せを見出しにくいわたしです。

ぐりぐら


<ZonchBrowserPro@eaoska232227.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>
 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:Re^2:未訳読み物"The Shadows of Ghadames"  ■名前 : コアラン  ■日付 : 07/11/29(木) 5:49  -------------------------------------------------------------------------
   ぐりぐらさん

確かに中近東の文化は、日本とはかなり違いますものね。
「シャバヌ」はかなりシリアスな本のようですが、読んでみたいです。

最近、NYタイムズのブックレビューに、オーストラリアに
住んでいるイスラム教徒の少女を主人公にした小説が取り上げ
られていました。ちょっと興味をひかれて読んでみたいと
思いつつ、まだ読めていません。
"Does My Head Look Big in This?" by Randa Abdel-Fattahという本です。
読めたら、感想書きますね。(っていつのことやら……ですが。)

コアラン

<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@pool-71-247-151-58.nycmny.east.verizon.net>
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