Page 514 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【カ】ビースト 蒼子(WYN-1031) 07/4/28(土) 18:07 ┗Re:【カ】ビースト ケンタ(WYN-1038) 07/5/2(水) 10:57 ┗Re^2:【カ】ビースト ぐりぐら★WYN-1039 07/5/2(水) 14:31 ┗Re^3:【カ】ビースト 蒼子 07/5/2(水) 14:43 ┗Re:Re^3:【カ】ビースト ワラビ(wyn-1001) 07/7/15(日) 15:10 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【カ】ビースト ■名前 : 蒼子(WYN-1031) ■日付 : 07/4/28(土) 18:07 -------------------------------------------------------------------------
『ビースト』 アリー・ケネン作 羽地和世訳 早川書房(2006.07)定価1,575円 "Beast" by Ally Kennen 2006 ★2006年度カーネギー賞ショートリスト作品 ★2006年ブックトラスト・ティーンエイジ賞ショートリスト作品 17歳のスティーブンは、本当の家族から離れて里親のもとで暮らしている。父はアルコール依存症でホームレス。母は精神の病気をわずらっていて、幼い頃から児童養護施設に入り、里親を転々としてきた。そして6年前からひそかに近くの貯水池でペットを飼っていた。はじめは大人しいペットだったあいつは、どんどん大きくなって、おそろしいビーストになった。高校を中退して、プラスチック工場で働いた給料は、全部そいつの餌代に消えている。しかし、その工場も首になってしまった。おまけに里親のところからも出て行かなければならなくなった。あのペットをそのままにしておくことはできない。どうにかしなければとスティーブンは必死に考えて……。 悲惨な家庭環境のなかで、必死に生きてきたスティーブン。そんな境遇でのひそかな安らぎだったはずのペットは、だんだんと手に負えなくなってしまった。それでもなんとかひとりで切り抜けようとするが、すべてが裏目にでてしまって、はらはらさせられる。スティーブンがだんだんとあきらかにしていくこれまでの境遇は、胸がつまるようなもので、それでもなんとかまっとうに生きていこうする姿に、はっとさせられた。まわりの大人たちもりっぱな人間はひとりもいなくて、みなそれぞれが汲々としていて、きびしい現実を考えさせられる。だからスティーブは誰も頼りにしていなかった。それでもスティーブンが秘密をうちあけることができたとき、何かが変わっていく。スティーブンの未来は、まだまだ決して明るくないけれど、何かを乗り越えた記憶が、これからも支えとなるだろう。 作者のデビュー作。なかなか力のある作品だった。 ** 蒼子 WYN-1031 ** <Mozilla/5.0 (Windows; U; Win98; ja; rv:1.8.0.11) Gecko/20070312 Firefox/1.5.0.11@131.84.112.219.ap.yournet.ne.jp> |
蒼子さん、 お読みになったのですね〜。「ちょっと怖そう?」と思っていた作品ですが、蒼子さんのご紹介を読んでいると、切なさのほうを強く感じました。孤独な少年がひそかに飼っていたペットって、どんな姿なのかな? 少年が心の中に押し隠していた苦しみや悲しみが「ビースト」の姿になったのかなと、思いました。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)@f7client23.across.or.jp> |
蒼子さん、ケンタさん わたしも気になります、この作品。デビュー作でカ賞ショートリストなんてすごいですよね。 しかも、表紙がかなりすごい。ぜひ読んでみたいと思います。 ぐりぐら <ZonchBrowserPro@eaoska231131.adsl.ppp.infoweb.ne.jp> |
ケンタさん、ぐりぐらさん ビーストの正体は、途中まで伏せられているんですけど……。表紙みると想像つきますよね(原書の表紙も同じような感じ) 冒頭から結構ショッキングですよ。生きるっていうのは、命を食べていくことなんだなと思いました。 ** 蒼子 WYN-1031 ** <ZonchBrowser@131.84.112.219.ap.yournet.ne.jp> |
蒼子さん、ケンタさん、ぐりぐらさん こちらも、ツリーに参加させてください。 蒼子さんが感想部分で書いてらしたことと重なりますが、感想を! 主人公のガッツや芯の強さがあってこそ、彼の語りで物語を最後までひっぱっていってるんだなと思いました。 また、ジミーの娘キャロル、息子のロバート、溶接工のエリック、それにスティーヴン自身も、ステレオタイプではなく、だんだんといろんな面が見えてくるようになっていて、そこが物語に深みを与えていますね。 ああいう終わり方は、結末としてはどうなのかなとちらりと思いましたが、まあ、いいかな。 ワラビ <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705)@210-248-131-011.jp.fiberbit.net> |