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 ▼【新刊読み物】トメック さかさま川の水 1・2  ハンナ  おちゃわん 07/7/2(月) 20:34

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 ■題名 : 【新刊読み物】トメック さかさま川の水 1・2  ハンナ
 ■名前 : おちゃわん
 ■日付 : 07/7/2(月) 20:34
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   みな様

あのバラードを歌う旅するヤギさんの作者ムルルヴァです!
邦訳第2作目はとってもすてきなファンタジーでした。

トメック さかさま川の水 1(Tomek)/ ハンナ さかさま川の水 2(Hannah)
ジャン=クロード・ムルルヴァ 作 堀内紅子 訳  平澤朋子 画
福音館書店  2007.5 出版 

【あらすじ】
『トメック』
 村のはずれで両親の残した「よろずや」を地道に営んでいるトメック。なんの変哲もなく毎日が平和な繰り返し。そんな村だけど、とても満ち足りていたはずだった。でもふと心の中に忍び込んだ「たいくつ」に気が付く。ある日、小枝のような女の子が店を訪れ、トメックはひと目で恋に落ちてしまう。彼女は飲めば死ななくなるというクジャー川の水を求めて旅をしていた。トメックは彼女を追ってクジャー川を目指す冒険の旅に出る。
 そこにいる間は存在を忘れられてしまう「ワスレの森」や、青い大きな「帆」という花。花の香りを集めて香水を作る村。船が引き寄せられる「どこにもない島」。村を一歩出れば想像もつかないことばかりが待っていた。

『ハンナ』
 ハンナが生まれたとき、喜びのあまり気が触れてしまった父親は、毎年、ハンナを「鳥の市」に連れていき、値段に糸目をつけずハンナの選ぶ鳥を買ってくれた。ある年、ハンナの選んだ小さな青いハタオリドリは、法外な値段だったが、父親は全財産をはたいて手に入れてくれた。母親と弟たちは愛想を尽かして出ていき、父親は働きすぎて亡くなり、たった一つ残されたハタオリドリが病気になったとき、ハンナは物語り人が語ったクジャー川を目指した。

【感想】
 物語の登場人物めぐり合う男女二人が それぞれ自分たちがした冒険を語ります。ほとんど徒歩の旅だからか、お話は、ゆっくり、のんびり、ホトホト進んでいきます。切った張ったも、眼をむくスピードもありません。でも、とても懐かしく暖かな心地よさで、惹きつけられるお話です。平澤朋子の昔風のイラストがぴったりあっています。誠実な勇気をもって旅を続けるトメック。熱病に浮かされたような好奇心に突き動かされるハンナ。どちらの冒険話もとっても面白い。読み出すと止まりません。今年のベスト10に入りそうです。
 ムルルヴァって10年以上も漂泊の生活を続けていた人なんですね。彼の人生そのものがとてつもない物語って感じです。

おちゃわん


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