Page 502 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊読み物】トメック さかさま川の水 1・2 ハンナ おちゃわん 07/7/2(月) 20:34 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊読み物】トメック さかさま川の水 1・2 ハンナ ■名前 : おちゃわん ■日付 : 07/7/2(月) 20:34 -------------------------------------------------------------------------
みな様 あのバラードを歌う旅するヤギさんの作者ムルルヴァです! 邦訳第2作目はとってもすてきなファンタジーでした。 トメック さかさま川の水 1(Tomek)/ ハンナ さかさま川の水 2(Hannah) ジャン=クロード・ムルルヴァ 作 堀内紅子 訳 平澤朋子 画 福音館書店 2007.5 出版 【あらすじ】 『トメック』 村のはずれで両親の残した「よろずや」を地道に営んでいるトメック。なんの変哲もなく毎日が平和な繰り返し。そんな村だけど、とても満ち足りていたはずだった。でもふと心の中に忍び込んだ「たいくつ」に気が付く。ある日、小枝のような女の子が店を訪れ、トメックはひと目で恋に落ちてしまう。彼女は飲めば死ななくなるというクジャー川の水を求めて旅をしていた。トメックは彼女を追ってクジャー川を目指す冒険の旅に出る。 そこにいる間は存在を忘れられてしまう「ワスレの森」や、青い大きな「帆」という花。花の香りを集めて香水を作る村。船が引き寄せられる「どこにもない島」。村を一歩出れば想像もつかないことばかりが待っていた。 『ハンナ』 ハンナが生まれたとき、喜びのあまり気が触れてしまった父親は、毎年、ハンナを「鳥の市」に連れていき、値段に糸目をつけずハンナの選ぶ鳥を買ってくれた。ある年、ハンナの選んだ小さな青いハタオリドリは、法外な値段だったが、父親は全財産をはたいて手に入れてくれた。母親と弟たちは愛想を尽かして出ていき、父親は働きすぎて亡くなり、たった一つ残されたハタオリドリが病気になったとき、ハンナは物語り人が語ったクジャー川を目指した。 【感想】 物語の登場人物めぐり合う男女二人が それぞれ自分たちがした冒険を語ります。ほとんど徒歩の旅だからか、お話は、ゆっくり、のんびり、ホトホト進んでいきます。切った張ったも、眼をむくスピードもありません。でも、とても懐かしく暖かな心地よさで、惹きつけられるお話です。平澤朋子の昔風のイラストがぴったりあっています。誠実な勇気をもって旅を続けるトメック。熱病に浮かされたような好奇心に突き動かされるハンナ。どちらの冒険話もとっても面白い。読み出すと止まりません。今年のベスト10に入りそうです。 ムルルヴァって10年以上も漂泊の生活を続けていた人なんですね。彼の人生そのものがとてつもない物語って感じです。 おちゃわん <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@p2093-ipbf205kyoto.kyoto.ocn.ne.jp> |