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 ▼【新刊】銃声のやんだ朝に  ぐりぐら★WYN-1039 07/3/6(火) 9:15
   ┗Re:【新刊】銃声のやんだ朝に  蒼子 07/3/6(火) 9:44

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 ■題名 : 【新刊】銃声のやんだ朝に
 ■名前 : ぐりぐら★WYN-1039
 ■日付 : 07/3/6(火) 9:15
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   『銃声のやんだ朝に』
ジェイムズ・リオーダン作/原田勝訳/徳間書店/ 2006.11


「おじいちゃんはドイツ人を何人殺したの?」12歳の孫息子の質問は、年老いたジェ
イクの忌まわしい記憶を呼び起こした。今こそ、孫に自分の経験を話さなければなら
ない。意を決したジェイクは、孫息子を連れてかつて戦いが繰り広げられた「西部戦
線」を訪れる。50年前、17歳だったジェイクは、第一次世界大戦に志願兵として参加
していた。ジェイクを待ち受けていたのは、シラミ、泥だらけの塹壕、粗末な食事、
そして、戦争の「現実」だった。最前線の兵士の命が虫けら同然に扱われる一方で、
将校たちは、とても戦争中とは思えない優雅な生活を送っている。やがておとずれた
クリスマス・イブ。「クリスマスくらい休戦にしないか?」というドイツ軍の兵士た
ちの申し出に、ジェイクたちイギリス軍はどうしただろうか?

 戦争の現実をしっかり映し出した作品だった。結局いつも犠牲になるのは、名もな
い兵士たちばかり。ガチガチのビスケット数枚で最前線で戦う兵士に守られて、将校
たちは安全な防空壕でナプキンとナイフにフォークで食事をする。戦争って本当に嫌
なものだと思う。相手を殺したくもないのに、命令ひとつでライフルをぶっぱなさな
くてはならないなんて。相手にも家族もあるのに。17歳のジェイクの目を通して描か
れる第一次世界大戦の現実は、今も世界のどこかで繰り広げられている戦争の現実で
もある。あれから90年近くたっても、人間はなにも変わっていない。きっと世界のリ
ーダーたちは、全員学歴詐称で実は文盲であり、こういう本を読めないのだろう。


ぐりぐら


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 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊】銃声のやんだ朝に  ■名前 : 蒼子  ■日付 : 07/3/6(火) 9:44  -------------------------------------------------------------------------
   ぐりぐらさん

 去年のクリスマス前に読みました。しっかりと描かれていますよね。
 クリスマス休戦の話には『世界で一番の贈りもの』(マイケル・モーパーゴ作 マイケル・フォアマン絵  佐藤見果夢訳 評論社 2005.11)もありますね。こちらもお勧めです。

 ** 蒼子 WYN-1031 **

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