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 ▼【新刊読み物】『ドラゴンキーパー 最後の宮廷龍』  SUGO 06/10/19(木) 10:13

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 ■題名 : 【新刊読み物】『ドラゴンキーパー 最後の宮廷龍』
 ■名前 : SUGO
 ■日付 : 06/10/19(木) 10:13
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    9月出版なのでやまねこ賞には不利ですが、今年1押しのファンタジー作品です!

『ドラゴンキーパー 最後の宮廷龍』(Dragonkeeper)
(キャロル・ウィルキンソン作/もきかずこ訳/金の星社/2006年9月)

あらすじ:
 古代中国の前漢時代。幼いときに奴隷として売られ、自分の名前も年齢も知らない少女が主人公。少女は、国のはずれにある離宮で龍守り(ドラゴンキーパー)に仕えていた。龍守りの世話はもちろんのこと、龍の世話も押し付けられていたが、淡々と与えられた仕事をこなしていた。龍は一世代前までは国の繁栄を占うものとして大切にされていたが、都から追いやられ暗い穴にとじこめられ今となっては2匹しか残っていなかった。そのうちの1匹が死んでしまう。離宮を訪れた皇帝が、残る1匹の龍をおそろしい龍狩り(ドラゴンハンター)に売ろうとするのを知った少女は、龍を助けようとする。龍の背に乗ったときから、少女の長い旅がはじまる。ふところに唯一の友のネズミをたずさえて……。

感想:
 今まで読んだことのない設定に夢中になって読んだ。人間は龍の言葉を理解できないはずが、少女の頭には直接龍の言葉が響いてくる。龍の語りかけに少女は応じたところ、龍が住んでいた穴にあった「玉」を海まで持って行く旅がはじまった。自然から食料を調達して野宿したり、時には龍は姿を変え、村人の家に世話になったりして旅を続ける。龍守りに追われる道中は、つらいことも多いが、ただ生きるだけでなにも知らなかった少女は龍からあらゆることを教わり、心を通わせる。旅の困難を乗り越えるたびに、少女が賢く強くたくましくなっていくのが読んでいて気持ちよかった。少女にとって龍は、心の師であり、自分が守るべきもの。そこに、愛らしいネズミも加わり、時おりなごませてくれるのが心にくい。

SUGO *=*=WYN-1012=*=*


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