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 ▼【新刊読み物】移動都市  蒼子(WYN-1031) 06/10/11(水) 12:51
   ┗Re:【新刊読み物】移動都市  さかな 06/10/11(水) 13:27
      ┗Re^2:【新刊読み物】移動都市  蒼子 06/10/11(水) 14:28
         ┗Re^3:【新刊読み物】移動都市  さかな 06/10/11(水) 14:44
            ┗Re^4:【新刊読み物】移動都市  蒼子 06/10/11(水) 16:31

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 ■題名 : 【新刊読み物】移動都市
 ■名前 : 蒼子(WYN-1031)
 ■日付 : 06/10/11(水) 12:51
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   『移動都市』 フィリップ・リーブ 安野玲訳 東京創元社(創元SF文庫)(2006.09)
"Mortal Engines" by Philip Reeve 2001

【あらすじ】
 15歳のトムは、移動都市ロンドンに住む、史学士ギルドの三級見習い。久しぶりにロンドンが〈狩り場〉へでて、獲物を追っている最中だというのに、博物館で陳列品のほこりをはらわなければならない。つい我慢できずに仕事を放り出して展望デッキにでたものの、ケンカ騒ぎを起こしてしまい、罰として最下層での作業を言いつけられた。憂鬱な気分で作業場にいくと、憧れの史学ギルド長、ヴァレンタインがいて、親しく声をかけてくれた。捕獲した都市の解体作業に、ギルド長の娘キャサリンとともにトムは同行する。ところがそこに、ヴァレンタインの命を狙う少女、へスターが現れた。トムは、とっさにヴァレンタインの暗殺を阻止したが、へスターとともにロンドンから落下してしまった。生まれて初めて地上に降り立ったトムは、謎の少女へスターと行動とともにすることになる……。

【感想】
 世界を滅ぼした「六十分戦争」から千年たった遠い未来の地球が舞台。文明は滅び、地殻も変動して、生き延びるために人類は都市にスチームエンジンとキャタピラやタイヤを取り付けて、まるごと移動させることにした。何層にもそびえる大都市から、1層だけの小都市が乱立するなか、都市が都市を喰らう、弱肉強食の世界となっていた。そこに、もう都市は移動すべきでないという「反移動都市同盟」も絡んでくる。都市から都市へ渡り歩く飛行船隊や、そうした飛行船が集う空中都市など、イラストレーター出身の作者らしく、絵が浮かんでくるような場面が満載。特に都市が都市を「喰らう」ところは迫力満点。まさに喰いつくす。資源がないからリサイクルも徹底している。喰った都市の使えるものは、みんな再利用、それでもスティームエンジンの燃料が木材だったりするところがおもしろい。
 登場人物も多く、また地上に降りたトムとへスターの側からと、ロンドンで謎を追うヴァレンタインの娘キャサリンの側からと、交互に語られて場面もめまぐるしく変わるが、混乱することなく一気に読めた。
 ともに孤児であり、最初は互いに反発しながらも、悩みながら危機を乗り越えていくトムとへスターに、胸が熱くなった。

 2002年ウィットブレッド賞候補作、ネスレ子どもの本賞(旧スマーティーズ賞)9歳〜11歳部門金賞、ブランフォード・ボウズ賞候補作。
 4作目は2006年ガーディアン賞を受賞[#724]

 ** 蒼子 WYN-1031 **

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:【新刊読み物】移動都市  ■名前 : さかな  ■日付 : 06/10/11(水) 13:27  -------------------------------------------------------------------------
   蒼子さん

 私も読みました!
 おもしろかったですね。
 最初、SFSFしていて読めるかしらと思ったのですが、読み始めたら
 一気読みでした。魅力的な人物もでてきて、(私はアナ・ファンが好き)
 よかったです。キャサリンも一途でいじらしいほどでした。

 トムの視点があるので、本のつくりによっては児童書として受け入れら
 れるでしょうね。でもこういう文庫のつくりだからこそ、大人も読みやす
 いかも。

 リーヴが子どもの頃に読んでいた物語を忘れずに、自分も作家となり
 書いていこうとされたとありましたね。
 サトクリフの『第九軍団のワシ』、ガーナーの『ふくろう模様の皿』、
 トールキンの「指輪物語」、ルイスの『魔術師のおい』、どれもなるほど
 と思いました。
 サトクリフは一度読むと強い印象を残しますが、こうして次の作家たち
 の心をつかんでいるんだなぁとあらためて。もちろん他の作品もですが。

 。. さかな <゚)))彡 ・WYN-0021・ . 。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re^2:【新刊読み物】移動都市  ■名前 : 蒼子  ■日付 : 06/10/11(水) 14:28  -------------------------------------------------------------------------
   さかなさん

 わたしもアナ・ファンがおきにいり。かっこいいですよね!
 あとべヴィス・ポッドとポムロイもよかったなぁ。
 シュライクもね、切ないです。なんか、未来の話なのに、人間って変わらないのかなとか思ってしまいました。

 続編ではまだまだ移動都市がでてくるようなので楽しみですね。

>  サトクリフの『第九軍団のワシ』、ガーナーの『ふくろう模様の皿』、
>  トールキンの「指輪物語」、ルイスの『魔術師のおい』、どれもなるほど
>  と思いました。

 そうそう、これも興味深かったです。とくに「ナルニア」としてでなく、『魔術師のおい』をあげているところ(^^)。

 ** 蒼子 WYN-1031 **

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re^3:【新刊読み物】移動都市  ■名前 : さかな  ■日付 : 06/10/11(水) 14:44  -------------------------------------------------------------------------
   蒼子さん

 シュライク、確かに。。。理解できる思考でした。
 ベヴィス・ポッドはなんというか、くぅぅぅって感じで、
 ポムロイはすてきな大人ですねぇ。

 すこしだけ、宮崎アニメを連想した部分もありました。
 あそことかあそことか(笑)。

 四部作なので、楽しみ。
 原書は全部刊行されているから、あとは邦訳を
 待つばかり。

 それと、確かに「ナルニア」ではなく『魔術師のおい』
 なんだーと私も思いました。

 。. さかな <゚)))彡 ・WYN-0021・ . 。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re^4:【新刊読み物】移動都市  ■名前 : 蒼子  ■日付 : 06/10/11(水) 16:31  -------------------------------------------------------------------------
   さかなさん

 ありましたね〜、宮崎アニメを彷彿とさせる場面。『エアボーン』(ケネス・オッペル作/原田勝訳/小学館2006.07)読んだときも思いましたが、空へのあこがれって共通なんでしょうかね? これも飛行船の話でした。

 シュライクなんて、○○かと思った(これは別の映画)。

 ** 蒼子 WYN-1031 **

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