Page 24 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊絵本】マーシャと白い鳥 えみりい(WYN-1041) 05/11/9(水) 12:04 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊絵本】マーシャと白い鳥 ■名前 : えみりい(WYN-1041) ■日付 : 05/11/9(水) 12:04 -------------------------------------------------------------------------
みなさん、こんにちは。 2003年のブラティスラヴァ世界絵本原画展でグランプリを受賞した出久根育さんが文と絵を書かれた(描かれた?)絵本です。 ロシアの民話『マーシャと白い鳥』 M・ブラートフ再話/出久根育 文・絵/偕成社 ある日、おとうさんとおかあさんは市場におでかけ。弟のワーニャの面倒をちゃんとみるように言われていたのに、マーシャはお友だちのところへ遊びに行ってしまったのです。その隙に、ワーニャは白い鳥の群れにさらわれてしまいました。それに気づいたマーシャは、鳥たちを追います。とちゅうでペチカに出会い、りんごの木に出会い、チーズの岸を流れるミルクの小川を越え、深い森の中でとうとうマーシャが行き着いたのは、にわとりの足の上に立つ小屋でした……。 わたしは昔話、とりわけロシアの話は好きなんですが、この絵本では、それにほぉっとため息の出るような美しい絵がつきました。ほの暗く幻想的で、どこかもの悲しさの漂う出久根さんの絵は、この民話にしっくりとなじんで見えます。ひとりで弟の救出に向かうマーシャの不安や緊張、それでも勇気をふりしぼって進んでいく姿が、一見静かな絵の中に、ドラマチックに表現されています。小さな弟の無垢な表情、子どもをさらう白い鳥の美しさも、すてき。出久根さんのあとがきも味わい深いです。 「訳」でなく「文」となっているのは、再話の再話ということでしょうか。ほかに、アファナーシェフ、トルストイらの再話も読まれた中からブラートフのものを選ばれたようですが、出久根さんがお読みになったのは、そのチェコ語訳かも。こういう場合はやまねこ賞の対象になるのかな? ならないのかな? ならないのかなー……。(どっちみち、10月発行なので、今年の対象作品にはなりませんが。) |