Page 215 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【新刊読み物】草花とよばれた少女 蒼子(WYN-1031) 06/7/3(月) 16:03 ┗Re:【新刊読み物】草花とよばれた少女 レイラ 06/7/18(火) 17:11 ┗Re:【新刊読み物】草花とよばれた少女 蒼子(WYN-1031) 06/7/19(水) 20:46 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【新刊読み物】草花とよばれた少女 ■名前 : 蒼子(WYN-1031) ■日付 : 06/7/3(月) 16:03 -------------------------------------------------------------------------
『草花とよばれた少女』 シンシア・カドハタ 代田亜香子訳 白水社(2006.05) "Weedflower" by Cynthia Kadohata 2006 【あらすじ】 両親を亡くしたスミコと弟は、カリフォルニアで花農園を営む叔父夫婦に引き取られ、農園を手伝いながら小学校通っている。おじいちゃんがアメリカに移民してきた、日系三世だ。夢は、いつか自分の花屋を持つことだった。ところが1941年、真珠湾が攻撃され、おじいちゃんとおじさんは、収容所へ連れて行かれてしまった。残されたおばさんやいとこ、スミコたちにもやがて、強制退去が命じられる。家財道具を売り払い、強制収容所へ移った。 【感想】 スミコの目を通してみた、第二次世界大戦中の日系人の収容所生活を描いている。話では知っていても、スミコが語る生活が、リアルにせまってきた。辛い生活のなかでも、花を育てることで、希望を持っていくスミコ。そして、やがておじいさんがなぜアメリカにわたったかに思いいたっていく。 もうひとつ本文には詳しくでてこないが、最後の著者注で、おもに日系アメリカ人で編成された第442連隊戦闘団のことに触れられている。家族を収容所に拘束されながら、命がけで任務にはげみ、アメリカ史上もっとも多くの勲章を受けた部隊のひとつだという。また第二次世界大戦中はインディアンたちも兵役についていたことを初めて知った。物語のなかでもスミコが友だちになるインディアンの兄が出征している。 子どもたちにもぜひ読んでもらいたいが、大人にも未来を考えるきっかけとしてもらいたいと思った。 ** 蒼子 WYN-1031 ** |
蒼子さん、こんにちは。 当地カリフォルニアでは日系人の収容所経験について子どもたちに 詳しく勉強させる学校が多いです。我が家の子どもたちも、教科書や ビデオだけでなく、実際に収容所経験をした級友の祖父母から話を聞い たり、日系人博物館を見学したりして、収容所や第442連隊戦闘団に ついて学びました。文学としても、また史実の記録としてもみごとな この作品が、すでにそうしたカリキュラムの中で使われはじめているようで、 ひじょうにうれしく思っています。 カドハタさんは、収容所経験をされたお父さまが元気なうちに、どうしても この作品を完成させたかったとか。戦争体験を伝えていくことがいかに だいじなことか、昨今の国際情勢の中で繰り返し感じずにはいられません。 レイラ |
レイラさん おっしゃるとおりですね。日本でもこうした本を通して、単なる歴史としてではなく、ひとりひとりの人間の物語として知ってほしいと思います。 ** 蒼子 WYN-1031 ** |