Page 194 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【カ賞】The Other Alice ゆま 06/6/16(金) 12:30 ┣Re:【カ賞】The Other Alice おとむとむ 06/6/16(金) 16:48 ┗Re:【カ賞】The Other Alice ケンタ(WYN-1038) 06/6/16(金) 22:09 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【カ賞】The Other Alice ■名前 : ゆま ■日付 : 06/6/16(金) 12:30 -------------------------------------------------------------------------
"THE OTHER ALICE" by Julia Clarke Oxford University Press ISBN: 0192754157 2005 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0192754157/yamanekohonya-22 主人公アリスは15歳。夏休みで家族と一緒に、体調を崩して療養中の祖父の家に滞在していた。その日はアリスの双子の兄と姉の誕生パーティーだった。友人が来られなくて誰にもかまってもらえないアリスは、パーティーにゴージャスな赤いドレスでやってきた女性を、「自分の友達」と家族に紹介してしまう。もう会うこともないから、ちょっとふざけてみよう――、アリスはそう思っていた。しかしその女性は、同じアリスという名であるから、自分はアリーと呼んでほしい、アリスとは数年前に一緒に劇団(youth theater)にいたので久しぶりの再会、など話す。しかしアリスは思い出せない。 翌日からアリーは、まるでアリス一家の昔からの友達のように家にやってくるようになる。父も母もアリーが気に入ったようだし、双子のエド(兄)とネル(姉)は、自分たちよりもちょっと年上で、いろんな楽しみ(車やパブなど)をさせてくれるアリーにすっかり魅了されていた。アリスはアリーに嫌悪感を抱き、思い切ってパーティーでのことは自分がふざけただけだったと家族に告白するが、誰も取り合ってはくれない。アリスは劇団で友達だった少年サムに連絡を取り、当時の写真を持ってきてもらったが、やはりアリーはその中にはいなかった。アリーは何かをたくらんでいる、アリスにはそう思える。サムだけはアリスの話を信じ、いろいろ相談にのってくれる。 同じころ、アリスの母が仕事を解雇され、そのために残りの夏休みに家族で行くはずだったイタリア旅行が中止になり、アリスは一段と落ち込む。アリーはどんどん家族に深入りし、友達と一緒に出かけた先にアリーがいきなり現れて、まるで姉のように振舞われ、苛立ちも募っていく。アリーは何者……? カーネギー賞ロングリストの作品です。読み終わったのが少し前でしたがアップが遅くなりました。ショートリストが発表されたので、ちょっと時期遅れになっちゃいました……。 話は本に戻しますが……、ミステリアスに物語は進みます。アリスの視点では、アリーが何かを隠している不気味な存在と思えます。が、一方で、もしかして、誰もアリスに構ってくれないから、アリーの不気味さはアリスの孤独感が生み出したもの……?とも思え、どんどん読んでいきました。そのうち、状況を一変させるある事実が判明し……。さて、アリーはいい人なのか企みがあるのか、真相はどちらでしょうか。 この本を読んでいたのと同じころ、やはりカーネギー賞候補作(こちらはショートリスト)の『チューリップ・タッチ』(灰島かり訳、評論社)を読みました。同じようにミステリアスな展開で最後までハラハラしました。 ゆま(WYN-1032) |
ゆまさん、こんにちは。 私も少し前に読みました〜。 アリーって何者?と思いながら、アリーに生活を引っかき回されるアリスの様子に はらはらしながら読みました。15歳のアリスが恋に悩み、自分や家族について考え、 懸命に問題に向かってゆく姿がリアルに描かれていました。思春期って、コンプレックスを ものすごく感じたりとか、恋の悩みも大きくなってくるし、家族についてや自分の アイデンティティについて、ものすごく考えるときですよね。そんなアリスの心の揺れと 成長が手に取るようにわかる作品でした。 毎日、問題が山積みで、そんな一つ一つの出来事をなんとか自分の中で消化して、 少しずつ大人になってゆくティーンエイジャーって、結構大変だったんだなあと 昔を振り返る私でした〜。(15歳っていったい、いつだったっけ……?!) アリーの立場で考えると微妙に切なくなりました… おとむとむ(WYN-2033) |
ゆまさん、 面白そうな物語ですね。謎に満ちたアリーの正体がとても気になります〜。 |