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 ▼【新刊読み物】〈クロニクル 千古の闇2〉シリーズ 『生霊わたり』  SUGO 06/5/23(火) 21:46

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 ■題名 : 【新刊読み物】〈クロニクル 千古の闇2〉シリーズ 『生霊わたり』
 ■名前 : SUGO
 ■日付 : 06/5/23(火) 21:46
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   読書室で本を紹介するのは久しぶりです。おもしろかった〜

〈クロニクル 千古の闇2〉シリーズ 『生霊わたり』
ミシェル・ペイヴァー作/酒井駒子絵/さくまゆみこ訳
評論社 2006.4

 オオカミ族であるトラクが、ともに暮らしているワタリガラス族に正体不明の疫病が発生した。死に至る疫病は、ワタリガラス族だけでなく、ほかの部族にもはやっているらしい。なんとかしなくてはと思ったトラクは、人知れず旅に出る。一方、オオカミと暮らしていたウルフは、自分の使命はトラクを助けることだと感じ、トラクを探してワタリガラス族に戻ったが、そこにトラクの姿はなかった。また、トラクの親友である少女、レンは、トラクがいなくなったことを知ってあとを追っていた。トラクは旅をするうちに、アザラシ族の魔導師が病を直す薬を作れると聞き、はからずもアザラシ族の住む島へと渡る。果たして、トラクはみなを救うことができるのか。レンやウルフと再会することができるのだろうか。そして、トラクが背負っている運命とは……。

 なんといってもこの作品の魅力は、自然に対する畏敬の念があふれていること。それぞれの一族の守護神となっている生き物はもちろんのこと、草木や動物から命をもらい生きているということに感謝し、行動する姿には心を打たれる。また、前作では森が舞台だったが、今回はトラクも未知の世界である海。アザラシ族の独特な生き方に戸惑いながらも、ベイルという少年と友情が芽生える。
 1作目では謎が多いまま終わってしまったが、2作目を読むとその謎が解き明かされ、ページを繰る手ももどかしく、次へ次へと読み進んだ。タイトルとなっている『生霊わたり』の意味は物語の後半で登場するので、ここではあえて触れないが、この作品を読むことでさらに続きへの期待が高まる。ちなみにあと4作続く予定で、原書もまだ3作目が出版されていない。それにしても酒井駒子さんの絵は、すばらしい!

SUGO *=*=WYN-1012=*=*


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