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 ▼【新刊読み物】『希望の学校―新・生きのびるために』  みちこ(WYN-1057) 13/5/26(日) 13:08

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 ■題名 : 【新刊読み物】『希望の学校―新・生きのびるために』
 ■名前 : みちこ(WYN-1057)
 ■日付 : 13/5/26(日) 13:08
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   「アフガンを生きぬく少女」シリーズの最終巻だそうです。4部作になったのですね。
1作目の『生きのびるために』では、タリバン政権下のアフガニスタンで、生活費を稼ぐために少年に変装して働いていた2人の女の子、パヴァーナとショーツィア。2作目『さすらいの旅―続・生きのびるために』、3作目『泥かべの町』のあと、どうしていたのでしょうか?

『希望の学校―新・生きのびるために』2013.4
デボラ・エリス作/もりうちすみこ訳/さ・え・ら書房
ISBN: 978-4378014982
"My Name is Parvana" by Deborah Ellis

 テロリストの疑いをかけられて米軍に捕まったパヴァーナが尋問される場面から物語は始まる。断固として口を閉ざし続けるパヴァーナ。監禁と尋問が続く中、これまでのことの回想が、三人称で語られる。
 捕まる前、パヴァーナは、女子のための学校の生徒だった。母親が開設し、パヴァーナや姉妹たちもその準備や運営に貢献した。生徒数も増えていき、何とか順調に学校運営が続いていたが、女子のための学校を敵視する者も多い。そのうち、「邪悪な者たちの学校だからやめるように」という警告のポスターが町中に貼り出され、脅迫の手紙も届くようになった。
 強い意志を持つ母親が、女子のための学校を開校したとは、このシリーズの読者としても非常にうれしいニュースだった。ただ、生徒となったパヴァーナは、算数にうんざりしたり、ちょっとしたことで母や姉とけんかしたりと、決してハッピーではない。かつて一緒に働いた友達、ショーツィアはどうしているだろうという思いも頭から離れない。パヴァーナは、机に向かって勉強したり、誰かに指図されたりするより、自分の意志で、人のためになる仕事に打ち込むことが性に合っているのだろう。せっかくできた学校が危機に陥り、さらに厳しく絶望的な状況になっていくなかでのパヴァーナの物語を、ぜひ多くの読者に読んでほしい。
 私は、3作目『泥かべの町』のラストに激しく心を打たれたのだが、シリーズ最終巻である本書のラストにも感動し、涙がこみあげた。作者あとがきも必読。

みちこ(WYN-1057)

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