Page 1234 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼読み物『雨あがりのメデジン』 みーこ 12/4/14(土) 13:50 ┗Re:読み物『雨あがりのメデジン』 ワラビ 12/10/1(月) 15:17 ┗Re:読み物『雨あがりのメデジン』 おちゃわん 12/10/20(土) 12:53 ┗Re^2:読み物『雨あがりのメデジン』 みーこ 12/10/20(土) 14:53 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 読み物『雨あがりのメデジン』 ■名前 : みーこ ■日付 : 12/4/14(土) 13:50 -------------------------------------------------------------------------
『雨あがりのメデジン』 アルフレッド・ゴメス=セルダ作 宇野和美訳 鈴木出版 978-4-7902-3250-6 2011.12 コロンビアのメデジン市東側にある貧しい地区バリオ。そのひとつ、サント・ドミンゴ・サビオに、10歳の少年カミーロは住んでいた。道路はほとんど舗装されていないし、しょっちゅう断水や停電があるけど、たいしたことじゃない。このバリオのいいところは、メデジンのすばらしい景色を一望できることだ。最近できたロープウェーや図書館を誰も彼もが自慢しているが、あんなものがいったいなんになるんだ? カミーロは、今もそうだが、これからもずっと泥棒をして生きていこうと決めている。飲んだくれの父親には、金くらい自分でどうにかして酒を買って来いと言われるし、両親のけんかも絶えない。だから家に帰るのは寝るときだけにして、食べ物もどこからか手に入れてくるのだ。 ある日カミーロは、何度誘われても拒み続けていたのに、なりゆきで新しい図書館へ行くことになってしまう。そして図書館をあとにするときには、シャツの下に本を1冊隠し持っていた。酒代にするためだった。 カミーロにはアンドレスという親友がいる。図書館へ誘い続けたのもこのアンドレスだ。学校に通えなくなったふたりは、いつも一緒にそこらをほっつき歩いている。カミーロはアンドレスにも泥棒になれと誘うが、うまくいかない。カミーロとアンドレスが互いの誘いを受け付けなかった理由は、すべて貧しさに起因する。特にアンドレスの言葉からは、泥棒にだけは絶対なりたくないという心の叫びが聞こえてくるようで、胸が痛む。 そんなふたりに一筋の光をもたらしたのは、図書館員のマールさんだ。関わりすぎず、でも決して目を離さずに、ふたりを見守っている。強制されれば拒否する感情が生まれるかもしれないが、自分から読む環境をうまく作ってあげれば、きっと誰でも本に親しむことができるだろう。特に狭い世界で生きている子どもたちには、こことは違う何かを知ることができる最善の方法だ。知ることで考え方や行動範囲が広がり、自分たちの将来だけでなく、ここではないどこかの未来をも、いい方向へと変えていく力になるのではないだろうか。 ★☆ みーこ WYN-1020 ☆★ <ZonchBrowser@softbank221029235185.bbtec.net> |
▼みーこさん、みなさん >『雨あがりのメデジン』 >アルフレッド・ゴメス=セルダ作 >宇野和美訳 >鈴木出版 こちらも、メルマガでレビューをお届けした、やまねこおすすめ本です。 ttp://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2012/06.htm#hyomi 私も読みましたが、メデジンという街が印象的に描かれていて、とてもよかったです。ネットで写真を検索したりしました。図書館がカミーロのような子どもたちの生きる助けになっているのが、嬉しくなりました。希望ですね。 ワラビ(wyn-1001) <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB7.4; .NET C...@180-042-178-019.jp.fiberbit.net> |
ワラビさん、みーこさん、みなさん 読みました!良かったです! 子どもたちの悲惨な状況を描いているのに、読後感がとてもさわやかです。 カミーロとアンドレスが、自分たちの居住区であるバリオを、何度となく、上ったり下りたり歩きまわる場面が印象的でした。 毎日をうろうろと行く場所を探して歩く彼ら。それは彼らの人生そのものって感じです。でもこうして地に足をつけて歩けば、答えが見つかるのかもしれません。ふたりが「遭難したものを救う岩島」のような図書館にたどり着いたように。 おちゃわん <Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.0; Trident/5.0)@p20084-ipngn100202kyoto.kyoto.ocn.ne.jp> |
おちゃわんさん、ワラビさん、みなさん > 読みました!良かったです! > 子どもたちの悲惨な状況を描いているのに、読後感がとてもさわやかです。 ほんとうに! > でもこうして地に足をつけて歩けば、答えが見つかるのかもしれません。ふたりが「遭難 > したものを救う岩島」のような図書館にたどり着いたように。 「遭難したものを救う岩島」。なんてすてきな表現! あの図書館の概観はほんとうに印象的で、今でも時々ネットで写真を見ています☆ ★☆ みーこ WYN-1020 ☆★ <ZonchBrowserPro@softbank221029235185.bbtec.net> |