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 ▼【新刊読み物】『戦火の馬』  みちこ(WYN-1057) 12/1/9(月) 21:39

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 ■題名 : 【新刊読み物】『戦火の馬』
 ■名前 : みちこ(WYN-1057)
 ■日付 : 12/1/9(月) 21:39
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   みなさま、こんにちは。
スピルバーグの映画で話題の『戦火の馬』、邦訳が出たのでさっそく読みました。

『戦火の馬』2012.01
マイケル・モーパーゴ作/佐藤見果夢訳/評論社
ISBN978-4566024182
"War Horse" by Michael Morpurgo 1982

あらすじ
 馬のジョーイは、生後半年で馬市に出され、酔っ払った農夫に買われた。無理やり綱をかけられ、恐ろしい思いをするが、連れていかれた農場では、農夫の息子アルバートに大歓迎される。アルバートは心のやさしい少年で、ジョーイを心からかわいがり、しっかりと世話をしてくれた。農耕馬としての訓練など、つらいこともあったけれど、ジョーイはアルバートを生涯の友と慕い、幸せに暮らしていた。
 ところが、農場の借金を返すために、ジョーイは軍馬として売られることになった。若く健康なジョーイは、高く評価されたのだ。16歳になっていたアルバートは、自分も兵士として一緒に行かせてほしいと懇願するが、年齢が満たないため認められなかった。ジョーイは、大好きなアルバートと別れ、第1次世界大戦の最前線へ送られた。

感想
 軍馬として出征した実在の馬をモデルに、第1次世界大戦に関わる歴史的事実に基づいて語られた作品。語り手は馬のジョーイ。戦場での過酷な状況や突撃時の様子、仲間の馬や兵士を失った悲しみなど、悲惨な現実を中立的な立場で伝えてくれる。軍馬が果たした役割がたくさんあったこともわかる。ジョーイも、突撃部隊にいたり、傷病兵を運んだり、大砲を運んだりと、長引く戦争の中でさまざまな仕事をした。多くの軍馬が戦地で命を落としたことも、事実そのものだ。
 とはいえ、作品全体を通して、馬を愛する人々がたくさん出てくるところに私は大きな魅力を感じた。固い絆で結ばれたアルバート少年はもちろん、ジョーイを大事にしてくれる兵士や一般の人々も登場する。馬をよりどころにしていた兵士たちがいたことも、事実に基づいているそうだ。物語の中だけでなく、実際の戦場で、馬を愛する気持ちを忘れなかった人々がたくさんいたことに希望を感じ、読了後、それが何よりもうれしかった。終盤のストーリー展開も秀逸で、涙なしには読めなかった。
 1982年にイギリスで発表された本作は、巨匠スピルバーグが映画化し、日本でもこの3月に公開される。映像を見るのがいまから楽しみだ。

みちこ(WYN-1057)

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